・歌詞

文章系のコーナーです。
作者のかかれていないものについては錬上要が作っています。


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蜻蛉
真夏の雪





7つの時に見上げた空
赤いトンボが飛んでいた
夕日に向かって追いかけて
転んだ僕の背中に一度
止まって逃げた赤蜻蛉

人生の意味を見失って
雨の降る中傘もささず
公園のベンチで夜を待つ

どうして忘れてたんだろう
雨に濡れ飛んでくる赤蜻蛉
どうして飛んでないんだろう
背負う荷が重くても僕も飛べるのに


15の時に眺めた空
赤いトンボが群れていた
夕日を背にして歩き出す
流した涙を拭った後で
僕を追い越す赤蜻蛉

本当の幸せを探したくて
ガードレールに足を載せて
水平線を見渡した

どうして忘れてたんだろう
笹の上たたずんだ赤蜻蛉
どうして気づかないんだろう
足元に転がしたあの言葉の意味


どうして忘れてたんだろう
俺がまだ僕だったあの頃を
どうして忘れてたんだろう
どこまでも飛んでゆく赤蜻蛉

どうして…… どうして……

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夏の雪



細い腕を切り裂くように
はらり落ちる淡い粉雪。
飛行機雲が教えてくれた。
それは真夏の雪


目が覚めて、初めて知ったよ
昨日の夜聞いた言葉の意味。
飛行機雲を覆い隠して
入道雲が伸びてくる。
真っ蒼な空塗りつぶして
降りだした温かい雫。

燃え盛るように紅い心も
凍り付くように蒼い瞳も
忘れることなどできもしないのに
夏の光の白に溶けてしまった。


目を閉じて、初めて見えたよ
明日の朝待ち続けてる君。
夜の静寂見渡すように
下弦の月が空に昇る。
黒く輝く瞳閉じて
こぼれてくやわらかい砂。


白い指を確かめるように
ふわり撫でる淡い粉雪。
逆巻く風が教えてくれた。
それは真夏の雪。

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